2018年11月22日木曜日

名古屋FC WEST 発足への想い

名古屋フットボールクラブ(名古屋FC)を創立21年、EASTを立ち上げて12年が早くも経った。創立当初から、将来的には名古屋市圏の東地区と西地区にそれぞれチームを形成しようと考えていた。
創立当時はサッカークラブ自体の数が少なく、本格的に取り組むクラブは更に少なかったこともあり、地域に関係なく練習会場が遠くても選手が通って来てくれた。
西は津島や富田はもちろん三重からも来てくれた。北は一宮、木曽川辺りはもちろん岐阜からも来てくれた。東は日進、長久手はもちろん豊田や、南は岡崎、豊橋からも来てくれた。その為、敢えて名古屋の東西に離して練習会場を確保し20年以上もやってきた。
しかしながら、10数年前ぐらいからクラブ数もかなりの早さで多くなり、現在の練習会場の間に沢山のクラブチームが立ち上がり、選手が”名古屋フットボールクラブに通う”という意味より、”東西の練習会場に通う”という物理的なロスのほうが多く出始めたため、東地区にEASTを立ち上げた。
名古屋FCの育成コンセプトは、育成年代のサッカー指導の本質である取り組み方の重要性、努力の基準を上げ、加えて勉強にも真剣に取り組むことを徹底させ、サッカーにおいての個人技術と個人戦術を強調しながら、思いやりや感謝の感情を大切にし、また、チームという組織の仕組みや規律の必要性を感じさせることに重きを置き、競技サッカーに大切な全てを教えることである。
しかし、最近のチームの多くが、技術は強調するものの良い選手に育っていくためのスパイスが少ないからか、上手い選手は上手いだけのまま、上手くない選手は努力することの大切さが欠けてきて、勉強を理由にやがてサッカーから離れていくという現象を見てきた。また、他チームにおいて可能性を感じる選手も見かけるが、その後加速的に伸びていって高校や大学やプロとかで活躍することがほとんどないのはなぜだろう、といつも素朴な疑問を抱いている。
名古屋フットボールクラブは、高校生年代以降にもそのスパイスを持ち続け、更なる努力をしていくことが大事という極めて単純な、しかしアスリートを目指す上で一番大事な「本気にさせる」という隠し味を持たせることに心血を注いできた。また、全国の高校とも綿密にコミュニケーションを取り、送り込んだ選手のフォローをしている。
どこまでいってもプレーするのは選手である。才能を持っていたとしても、やり続ける才能がない選手には教える必要性がある。名古屋フットボールクラブ出身で高校や大学で活躍し、最終的にプロになった選手が20名近くもいる事実は、そういうところから来ていると自負している。夢を現実ととらえさせることが大事である。
そのような考えから、EASTは10年で東地区に根付くことが出来たと考える。いずれ近い将来EASTからもプロ選手が生まれると確信している。
また、長年広範囲に渡って活動してきた名古屋FCは、今後名古屋市内にはっきりとした拠点を置き再スタートをする。
そして、改めて西地区に育成年代に極めて重要な名古屋フットボールクラブのコンセプトを掲げ、将来ある選手の育成に着手すべく、来年度からWESTを立ち上げるに至ったいきさつである。
今後も名古屋フットボールクラブは、卒業した選手がそれぞれのカテゴリーにおいて中心選手、また、キャプテンとして活躍し、さらにはプロ選手になって日本代表に名を連ねるような選手が出てくることを信じている。
この中学生年代は、どの分野に進んでも重要になる考え方や取り組み方を身につけ、人としてベースになる人間性を身につけることが最重要課題であると信じて疑わない。そのすべてを身に付けるため、好きなサッカーという競技を使わさせて貰っていると考える。
小崎 峰利

2018年10月19日金曜日

質の追求

ノープレッシャーのトレーニングにおいて、”質”にこだわってトレーニングしている選手がどれだけいるであろうか。

特にジュニアやジュニアユース年代において、単純なパス交換のトレーニングなどで”質”を追及できる選手は少ない。

指導者の声かけにおいてもパスの出しどころとか、ポジションの位置取りなどのコーチングがほとんど。

以前書いた意識、「無意識でいかに子供に意識をさせた上でトレーニングするか」から見れば、一番基本的なパスの”質”にもっとこだわった指導をするべき。

精度の良し悪しは見てわかる。”質”の良し悪しは選手(子供)は見てわからないしこだわらない。パスがつながったか、つながらなかったかの良し悪しのみである。

シュートにしても同じことが言える。
ゴールに入ったか入らなかったかが良し悪しの基準。

親御さんのリアクションを見ていると、ゴールに入れば『ナイシュー』、入らなければ『惜しい』。
この言葉に惑わされる。

指導者がここに気付けば、声かけの中身はもっと細かくなるはず。
指導者も”基本は何か”を探すべき。

ここをジュニア時代から徹底的に追及しなければ、世界には追い付かない。
小崎 峰利

2018年9月20日木曜日

三感の指導者

以前”聞く力”という題で書いたことがある。

聞く力”というのは聴覚を刺激することであるが、このような意味で考えると、最近の子供達は五感で学ぶということが少ない。

古くには、怒鳴られて聴覚で感じ、怖い顔で睨まれて視覚で感じ、最も怖いビンタなど痛いという触覚で感じ、味覚と臭覚はサッカーの現場では使わないはずだが、先の三感はよく見られた光景である。

現在はそれに変わる方法論が見つからず、未だに体罰を行ったり、暴言を吐いてしまったりする愚かな指導者もたまに見受けられる。こういう指導者は毎日子供たちを観察していないのではないかと思われる。

現在の子供達を観察をしていれば、時代の移り変わりを感じないはずはない。

ただ怒鳴られて覚える聴覚ではなく、睨まれて視覚から怖いと感じることではなく、痛いと感じて覚えるのではなく、方法論を追及していけばどうしていかなければいけないか自ずと見えてくる。
小崎 峰利

2018年8月9日木曜日

コーチング vol.1

ジュニアユースのセカンドチームに素晴らしいコーチングをする選手がいる。
その選手が出場しているゲームを見ていると、状況判断といい、コーチングの内容といい、かなり的確でびっくりするぐらい。

この選手は、ずっとセカンドチームでベンチに座ることも多い。ただ、この選手と他の選手との違いは、監督やコーチとともにゲームを観察し、監督やコーチのコーチングやベンチワークを真剣に聞き、自分の頭の中でずっとシミュレーションしてきたと思われる。

フィジカルや身体能力は決して高くはないが、基本的な技術がそんなに劣っているわけではない。

ゲームを外から見る大切さと、サッカーという競技の本質を頭で吸収し、コーチングという素晴らしい技術、それもこの年代での一級品のコーチングを身に付けたこの選手の将来が楽しみである。
小崎 峰利

2018年7月20日金曜日

基本

”基本の大切さ”を改めて強調したい。

古くから1+1=2、3☓3=9、この基本があって算数、数学は学んでいける。ひらがなから始まり、漢字を覚え、この基本があって文章や会話が生まれる。基本がしっかりしていないと深みを目指していけない。

挨拶はコミュニケーションを生み、きちんとした身だしなみは自信を育み、努力はプライドを持たせる。

サッカーにおいても基本的な技術、例えばしっかりとしたインサイドキックを習得すれば、様々なインサイドキックを学ぶ事ができる。

このような”基本”を追及することが、希望を生み、夢を育てる。

最近中学生と大学生を交互に見る日がほとんど。この日々が改めて基本の大切さを感じる。

今日も”基本”ができてるか、基本、基本と言われて育ってきたはずだけど、本当に基本ができているかを確認、指摘をし、もう一度原点に戻らせるためトレーニングに向かおう。
小崎 峰利

2018年6月22日金曜日

タイミング

タイミングとよく言うが、タイミングはどうやって学べば良いのか?

サッカーという競技において、"絶妙のタイミング""パスのタイミングが悪かった""シュートのタイミングが遅かった"とかはよく聞くフレーズである。

何度も何度も反復をしてタイミングを体得するしかない。
ただ10名のフィールドプレイヤーと全てのタイミングを合わせるために、全てのプレイヤーと反復練習をすることは出来ない。

それでは、タイミングを合わせるには?

タイミングという事を常に意識していれば、すべての言動にタイミングのトレーニング要素は存在する。

挨拶のタイミング、チームメイトへのコーチングのタイミング、部屋の掃除をするタイミング、もちろんプレーに関するタイミング。

まずもって、頭でタイミングを意識し、感じる回数を増やし、失敗を恐れずチャレンジの回数を増やすしか手がない。

ただ、良いタイミングばかりを追及すると、相手の裏をとるというサッカー競技においては良いタイミングだけではいけない。

サッカーには"良いタイミング"と"相手にとっては悪いタイミング"の2種類のタイミングを会得する必要がある。

教える側としては、単に技術を教える事以上に難しい。
小崎 峰利

2018年6月8日金曜日

意識と無意識

選手に色々な事を教える。

教えて貰った事柄を”意識しながら”トレーニングしているかどうかは、指導者がその後のトレーニングを”意識して”観察していると一目瞭然でわかる。

どのカテゴリーでもそうだが、”意識して”トレーニングをしている選手が少ない。
どんなトレーニングでも、ポイントを”意識して”行わなければ上手くなるはずもない。

「上手いね」と言われる選手は元々上手い。
しかし、その後の成果は先の”意識した”トレーニングの回数で上達の度合いが変わってくる。

先ずもって”頭の中が動くかどうか”、これが優先。

指導者は、目に見えないことを教えることの方が難しい。
小崎 峰利