私の周りには、有望か無謀か見極めにくい若い指導者が大勢いる。
熱心に自分の経験(レベルはともかく)、自分なりの勉強・ポリシーなどを背景として指導の現場に立っていると思われる。
指導の実践では、当然のことのように選手のレベルや状況によって話す内容はもちろん、話し方も言葉自体も 変わってくるはずである。
しかしながら、客観的に見て、特に高いレベル(プロなど)や厳しいチームでプレーしてきた経験がある指導者ほど、「当たり前にできるもの」という前提で話をしたりコーチングをする傾向が強いと感じている。
そうすると、どういう事が起きるか。口調がキツくなり、 怒ったような表現が多くなる。
分からなくもないが、言われた事がしっかり理解できていないのはもちろん、 言われた事を充分に理解しようとしてプレーする選手ばかりではないのも現実である。
長い間教えてもらってきたはずだけど、 実際は教えてもらっていない状態という選手が少なくないのである。
そのようなレベルの選手には「話の術」を駆使し、 面倒ではあるがゆっくり丁寧に話をしていかないと、 言われることに対するアレルギー反応をキッカケに不信や不満などが噴出してしまうケースが散見さ れる。
現代の特に若い指導者は、選手のこれまでの教えられ方も把握したうえで、 教えるための「話の術」を身に付ける必要があると感じる今日この頃である。
面倒な時代へ突入である。
小崎 峰利