2015年11月18日水曜日

選手の潜在能力をいかに引き出すか

“潜在能力を引き出す”については、以前にも少し書いた。
選手へのアプローチの仕方は、選手の数だけあると言っても過言ではない。しかしながら、ほとんどの大人は選手へのアプローチに問題があると考えていない。(特に自分の子供に対しては私を含め誰でも・・・)

“褒め方と怒り方”
この手法のウエイトは、かなり大きい。この手法においては、私も相当な経験値と実績とを持った指導者の一人であると自負している。

最近、ある大学の監督とこんな話になった。
現代の高校や大学には、“上手い選手”は大勢いる。ただ、これらの大半は、いわゆる“上手いだけの選手”で終わってしまうのが現実である。
“上手いだけの選手”の共通点は、意識の持続とやるべき事への継続性が不足し、自分で納得できない事へ心が拒否反応を示してしまう。本当の意味で理解できていない。

ジュニアユース年代での意識の希薄さ、色々な事への対応力の乏しさ、サッカーという競技の本質の理解不足等々に要因がある。技術(ハード)だけに特化してきたわけではないだろうが、考え方や取り組み方(ソフト)との落とし込みのバランスが悪かったのだろうと思う。

これが俗に言う、「あの選手もったいないよね。上手いのに・・・」とか、「あの上手かった選手はどうしちゃったの?」とか言われる所以である。

選手の保護者向けに、よくこんなフレーズを口にしてきた。
「何でうちの息子は叱られてばかりいるの?何であの子は怒られることがないの?何でうちの子は叱ってくれないのですか?などと思わないで下さい。」
「同じことを感じさせ、意識させ実行させるには声の掛け方、口調、タイミング等々全てが違います。同じことを感じさせるにも、選手によって手法が違うのです。」

それはチーム発足以来、今も何ら変わっていない。
一人でも多くの「本当に上手い選手」の育成を目指して。


小崎 峰利

2015年11月6日金曜日

高校サッカー事情

以前、「“全国区のクラブチーム”となるためには何が重要かを考えた時、・・・中略・・・チームカラーとして“あいさつ”“身だしなみ”を厳しく指導、また、今でこそ当たり前だが、移動用のジャージ・シューズ・バッグを揃えて(あえて費用をかけて)“規律”を重んじてチームの大切さを強調、さらには私生活・学校生活・勉学についてもかなり厳しく指導・・・中略・・・、オンザピッチだけでなくオフザピッチにおいて、それなりの存在感を示すことができていたことが、後々の全国の高校サッカー界とのパイプ作りに繋がっていったと実感している」と書いた。

そういうなかで、名古屋フットボールクラブの選手に興味を示してくれた愛知県内はもちろん、県外有名校の監督にも連絡を取り、頭を下げて練習見学や選手を練習に参加させていただくことを繰り返すようになって、高校サッカー界における人脈が形成されたと思う。

とにかく、選手の将来を考えて色々なところに足を運んだ結果と、選手が進学した高校において名古屋フットボールクラブで学んだ事をしっかりと遂行し、迷惑をかけずにやってきてくれたおかげで、全国区の高校への輩出が続けられていると考えている。

名古屋フットボールクラブは「県外の高校へ多くの選手を送る」、「ある高校へしか選手を送らない」などと言われたことがあった。

愛知県の高校サッカー界では、サッカーに重きを置いて全国優勝やプロ選手を目指すには、全般的な環境が今一つであると言わざるを得ない。

確かに、監督は自己犠牲のうえで一生懸命指導している。
しかしながら、愛知県は成績によって入学時における関門が非常に大きい。他県では選手の成績面に柔軟性?を持たせている強豪校も多いが、愛知県の強豪校は成績面にシビアである。

現実として、成績は芳しくないが、サッカーでは高い可能性を秘めた選手がいる。

こういった選手を受け入れていただける強豪校は少ない。
そこで、県外のサッカー強豪校へお願いすることになる。こういった事が積み重なって「県外ばかりに送る」と言われ始めたのである。

これは非常に難しい問題であり、愛知県内では解決し辛いであろう。
サッカーの本質を理解し、リスク?を負ってでもサッカー部の強化を敢行する高校が増えてくれば有望な選手の県外流出は少なくなり、全国でも充分に戦える可能性は高まる。また、県内の競争が激化し、全体のレベルアップにもつながる。

しかしながら、“サッカーが全てではない”という現実も確かにある。
我々指導者は、選手達の将来を考えなければならないので、ここが悩むとこである。大学以降も含めた将来展望を、視野に入れて進路は考えるべきである。

私は、他チームの指導者に会う度に自分の指導理念を切々と話をする。
私はお酒が飲めないので、食事をしながら、コーヒーを飲みながら、温泉につかりながら、などといった場面になる。


「とにかくサッカーに真摯に取り組み、気遣いとチームを思いやる選手の育成、また、チーム力はどうしたら上げられるかを常に学ぶことが私の使命。基本技術の大切さと対応力、順応性を身に付け、どのチームにおいてもキャプテンを任される選手の育成を目指している」と言っている。切々と・・・