2023年11月27日月曜日

悔しい

「また負けて―」
辱めを受けたり、自分の無力を思い知らされたりして、腹立たしく残念だ。

「悔しい」の意味を調べると、このように出てくる。最近は、この感情を持つ子供がかなり少なくなってきているように思えてならない。

「悔しい」という感情を持つ場面が時代背景も含めて少なくなってきている。

個人の持つ感情としても悔しいという遺伝子が退化というか少なくなってきているかもしれない。

また、「悔しい」と思う場面にしても人それぞれかもしれないが、カタールワールドカップアジア最終予選に怪我のため離脱した吉田選手は、負けて悔しいというよりも、怪我で出られないことの悔しさが相当なものであり、自分がこの時期に怪我をしてしまった事に対して悔しいという感情を顕にしている。

この事は、私の育成年代への話の中において「悔しさ」の新たな事例として加わる事になった。

吉田選手はやはり素晴らしいキャプテンである。

彼の中学生(グランパスJr.ユース)時代に名古屋FCと戦った事もあり、何となく身近に感じられて嬉しい限りである。

小崎 峰利

2023年10月30日月曜日

悲壮感

厳しいトレーニングをすると険しい顔つきになり、コーチがトーンの高い声で指摘をすると、なぜ選手は悲壮感が漂う顔になるのか?

これは、指導者、選手とも両方に責任があるのではないか。

選手は、いつも怒られていると感じているのだと思う。
でも、それはコーチング側の指摘の手法に問題があるのかもしれない

親に叱られっぱなしの子供は叱られることが常態化していて、なぜ叱られているのか意味不明な状態が続く。

トレーニングの現場で、一生懸命やっているのに悲壮感が漂う事がままある。
苦しい場面でこそ、厳しくも明るい雰囲気にさせられる選手であり、また、指導者でありたいものである。
小崎 峰利

2023年10月12日木曜日

サッカーは難しい

どこのポジションでボールを受けるか?

この問題一つをとっても、ボールホルダーに対して他の味方の位置、敵の位置、はたまたその位置よりもよりゴールに近い位置があるのではないか。

また、相手ボールの時、どの相手にボールが渡りそうか、それによって相手にプレスをかけやすいポジションを取る。

はたまたこのスペースは消しておかないと危ないな。などなど頭を使いながら相手と味方を見ながら予測の元にポジション取りをしなくてはいけない。

さあ、実際にポジション取りが何気に合理的になってきたとしても、自分の味方から良いポジションでボールを受けたとして、止めるミスをしました。

また、自分がボールホルダーで、味方が相手から見たらかなり危険なポジションを取ってくれています。
さあ、パスを出しました。
ミスパスになってしまい、相手にボールが渡ってしまいました。

相手にボールが渡りそうです。
良いポジショニングからプレスが出来ました。
ただ、奪い方が下手で奪えませんでした。
残念な結果です。

どちらにしても、たとえ良いポジションを取ったとしても、そのポジションが活かされるスキルが必要です。
どちらもバランス良く身につけさせなくてはなりません。

あぁ、やっぱりサッカーは難しい。
小崎 峰利

2023年9月11日月曜日

指導

我々指導者は、できないことをできるようにしてあげるのが最初の仕事。

選手間のコーチングもそう。
できないことをできないと指摘することではなく、できないことをできるようにしてあげるのがコーチング。

最近外から現場を眺めていると、できないことに苛立ち、指導が指導ではなくなったり、コーチングがコーチングではなくなったりする場面を目にする。

このような状況においては、指導しているとは言い難い。
育成年代であれば、なおさらである。
カテゴリーの年代が下がれば下がるほどに、より丁寧な指導、レベルに応じたコーチングが必要である。

全てのカテゴリーを見てきた経験からすると、同じことを指導するにも何百、何千の言葉の引き出しが必要かもしれない。

指導の奥深さを更に考えることにする。
小崎 峰利

2023年8月8日火曜日

セットプレー

近年、高校サッカー選手権や高校総体が終わると、必ずセットプレーについての話が多くなる。

昨年度は高川学園のセットプレーが世界中に話題を提供したり、名古屋FCとの親交が深いの黒田剛氏(現FC町田ゼルビア監督)が多用するロングスローが色々話題となったり・・・。

確かにセットプレーは攻撃側にとって100%有利のうえ、その後のセカンドボールについてもフィフティーフィフティーのおまけまでついてくる。
守備側にとってこの上ない恐怖であり、不利であることは間違いない。

その中でロングスローであったり、トリックプレーであったり色々デザインされてきている現実をみると、今後はますますファウルをしない、簡単にボールデッドしてプレーを切る事も難しくなる時代に突入してきたといっても過言ではない。

以前は、リスタートを早くすることが一種のトリックプレーとして考えられたレベル、もちろん今でもリスタートは早くするに越したことはないが・・・。

攻撃側は、キックやスローのクォリティにこだわり、またマークを外すために、言葉は悪いが目眩しのようなトリックプレーも出てくることがあるかもしれない。

守備側は色々な攻撃側のアイデアに対抗して何かができるわけでもなく、オーソドックスにマークの徹底と、スペースを消すことと、競り合いに負けないという至ってシンプルな事をやり続ける事が必要である。

やはり、サッカーは基本を大事にである。
小崎 峰利

2023年7月11日火曜日

楽しさとは?

どんな競技でもトップトップの選手達が言う。
「楽しくやって欲しい」とか 「楽しさ」を強調する。

間違いはない事なのではあるが、個人それぞれの「楽しさ」「楽しみ方」があるので「楽しい」という言葉が前面に出て、一人歩きだけはして欲しくない。

体操の内村航平さんが、引退会見の時に話していたことの中に、「世界一のトレーニングが出来なくなったから引退かな」と言っていた。
その前段には、世界一の練習をしていた時は「楽しさ」を感じていたようなお話であった。 

まさに「苦あれば楽あり」「苦しさの後に楽しさ」などアスリートに関しても、人生に関しても同じで、トレーニングの量や質にこだわり、それの苦しさを楽しさと感じられる事が理想である。 

しかし、殆どの人が目の前に訪れる苦労と苦しさを感じ過ぎて、その後に訪れる楽しさと嬉しさを想像出来ないので、苦しい苦しい、イヤだと思い継続できない人が多々いる。 

まずは「楽しさ」を追求していくことから始めてみると良いかも。
小崎 峰利

2023年6月28日水曜日

勝ち方

昨年のワールドカップもすでに懐かしい時期になり、日本代表は次の大会の予選突破を見据えた選手選考段階に入ってきた。

優勝候補と言われる国(チーム)が、予選リーグ敗退という事が普通に起きる時代になってきたなかで、前回大会では死のグループとまで言われた日本のグループはドイツが2大会連続での敗退。
FIFAランキング2位のベルギーでさえ消え去った。

この様な状況で、日本の活躍は目覚ましいものである。
コスタリカに負けはしたが、プラン通りであったと思う。あえて言えば、策に溺れた感は否めない。
ドイツとスペインには、策がしっかりはまったと思う。

しかしながら、次の大会に向かう日本としては、もう少し勝ち方にも変化を伴いたいものである。
強い相手への戦い方は一定の基準が出来たが、一つ間違えば勝つ確率は相当下がる。
その為には、戦略、戦術の構築と共に個人スキルと駆け引きのクオリティを更に上げる必要が出てきた。

ドイツやスペイン、ベルギーの様なスキルフルな相手には、前回の様な戦い方をベースにする。
アフリカなどスピードと身体能力に長けた相手には、緩急を武器に対峙する。
日本より引いて守るようなアジアの国相手には、アグレッシブに果敢に前に進み、スキルを全面に出して翻弄する様なサッカーを目指して欲しい。

その先には、相手によって勝ち方を考えられるレベルに達し、ワールドカップ優勝が見えてくるはず。
生きてるうちに見たいと思う。
子供達には、とにかく頑張ってもらいたい。
小崎 峰利

2023年6月21日水曜日

100%以上

選手にいつも言っているフレーズがある。

「150%でやろう」

選手はいつも頑張っている。
その中でそれぞれの頑張りがある。
だが、多分もう少しできる。

昔よく言われたことがある。

腹一杯になってからもう一口食べる。
10本走った後、ヘトヘトだけど更にもう一本だけ走る。

自ら、また、コーチから「これだけやろう」と言われたことが100%なら、言われたことをこなしてから更にやること、それが100%以上のことである。

私は、それを更に大きく「150%でやろう」と言っている。
100%以上の事がそれぞれの力になって身についていく事であると信じている。
きっと、あなたはもっとできる。
小崎 峰利

2023年5月31日水曜日

建設的?

サッカーシーンにおいても、様々なシチュエーションで意見交換が行われる。
指導者から選手、選手から選手、先輩から後輩など。

意見交換と言われる状況で、本当に意見を出し合うことが行われることは意外と少ない。
日々の生活も含めて見ていると、意見を言う選手と言われる選手、当然のことのように意見を言う上司、先輩、聞くしかない?部下と後輩などなど。

何故偏るのか?
ここを改善していかないと組織、グループは熟成されていかない。
まずもって発信する中身が、組織やチームにとって建設的なものなのかどうかのジャッジ。

それを言うことによって、言われた相手が建設的な意見と捉え、素直に聞くことが出来るか?
たまには衝突もあるかもしれないが、衝突の後でしっかりとした議論に発展していけるのか?
批判ではなく意見、それも言う相手に対して建設的なものかどうか?

このことを勘案した上で、建設的な意見を言うことができるように仕向けていきたい。
小崎 峰利

2023年5月7日日曜日

時間

選手達には色々な訓話をする。
自分には出来そうにもないことも織り交ぜながら、ああでもない、こうでもないなどと話をする。

齢65まで、ただ生きてきたわけではない。
何でもない「時間」を過ごしてきたわけではない。
自分自身でも甘い経験、苦い経験、苦しい経験、はたまた自分のことでは無いが数多くの見聞がある。

だから色々な訓話ができるのだろう。
中にはさも自分の経験のように、ある経験談を話す。

その中で常に出てくるフレーズとして「時間」がある。
人に与えられた時間は公平だが、その時間の中身は人それぞれ。
濃いか薄いかの時間ではない。
考え吸収した上で、経験談として話ができるぐらいの時間を過ごす事が、後々の人生に生きてくる。

選手たちに強く言いたい。
リラックスする時間は必ず必要だが、考える時間を多くする事がより良い人生の礎となる事だということを。

時間を過ごすな、時間は使え!
時間は全ての人に平等にある。
中身の濃い時間を!
小崎 峰利

2023年4月3日月曜日

今を頑張れ!

中学生に送る言葉として、「今を頑張れ!」というフレーズを色紙に何年も書いてきた。

最近では、大学生に対して、「将来のために人としてしっかりとした社会性を身に付けよう」と毎日のように言っている。

社会性はともかく、サッカーにおいては未来よりも今だ。

「いつやるの?今でしょ!」という言葉が流行った。林先生だ。

確かに今やらなければ未来はない。
目の前の努力や結果を求めなければ明日はない。
当たり前のように明日や未来のために「今」はあるのだ。

今を頑張れない奴は、明日も未来も頑張れない。
だから、「今を頑張れ!」なのだ。
小崎 峰利

2023年2月22日水曜日

我慢と成長

人間は、我慢をすることや苦労をすることの方が成長するものなのだろうか? 

歳も取ってきて考える。
楽しいことをやりながら、また、美味しいものを食べながら生きてけないものだろうか?

美味いものばかりを食べすぎると、身体には決して良くはない。 
運動をしなくて美味いものばかりを食すれば、見た目も太り、内臓にも良くはない。
ワンちゃんでも人間の食べるものと一緒のものを食すれば、寿命は縮まると言われる。 

私たちサッカーマンも、我慢もなしに楽しく楽なトレーニングばかりでは、決して上手くも強くもなれないはず。

やはり我慢は必要。 苦労も必要。 厳しさも必要。 
ある意味、昔から言われる「苦あれば楽あり」、 これが成長の元にあるのは間違いのないところである。
小崎 峰利

2023年2月6日月曜日

明るく厳しく!

指導方法として、「肯定をしながら否定(ウィークポイントの指摘)をする」「否定をしながら肯定をする」という手法をとってきた。

さらに、選手ごとに細かくその比率を変えて話をしてきた。

指導者は、個人に対してのアプローチとチームに対してのアプローチを考えなければならない。
その中で、スキルに対してのアプローチ、メンタルに対してのアプローチなどなど様々なシチュエーションがある。

今まで色々な場面で色々な指導者を、また、色々なカテゴリーで色々なトレーニングトークやベンチトークを見聞きしてきたが、私は表情、声のトーンを含めて「明るく厳しく」という空気感を作る事に心血を注いできた。
それによって選手の目の輝きを含め、サッカーという競技に真剣に向かう事の出来る選手が少しずつ増えてきたと感じている。

とにかくトレーニングの雰囲気は大事。

明るいだけでの空気感では緩い。
かといって厳しいだけで緊張感でピリピリでも持たない。

指導者は、トレーニングから試合までの空気感をしっかりコントロールできるのが一番。

私は、”今は濃く” ”ここからは少し淡く” ”ここは濃いを通り越してピリピリした”などの空気を意図的に作れるようになってきたと考えている。

しかし、そろそろ指導者人生終盤に差し掛かる。
このような感覚を早く持てる若手の指導者がどんどん現れて欲しい

現代の子供達は、我々年寄りが生きてきた時代と違って耐力が簡単に身につく時代背景ではない。
これを理解しなければ現代の指導は難しいと言われる所以である。
小崎 峰利

2023年1月10日火曜日

優先順位

サッカーにも、生活にも、優先順位がある。

最近よく思うのは、カテゴリーを問わず選手が優先順位を全くと言っていいほど考えず、身勝手な大義名分を振りかざし、さも優先と言いながら要求をしてくる事が多いことか。

「就活なので明日のトレーニングを休みます」
ちょっと足を捻ったので明日病院へ行くのでトレーニング休みます
下宿のガス栓の点検とトレーニング時間が重なるのでトレーニング休みます」

全ての事が、時間の管理と先方との交渉でマネージメントできるはず。
怪我をしていてもトレーニングに顔を出す事が優先であるのにも関わらず、休む事が優先。

休む事が必要で、休む事が優先になる事も当然のようにはあるが・・・。

もっと言えば、報告と連絡をする事で休んでもよい、と考える選手も散見される。
体調不良で休みます。頭が痛いので休みます。

先に書いたように休む事が優先な事もある。
しかしながら、連絡をしたから休んでもよいという道理は社会では通用しなくなる事が多い。
オフ明けに休むなんてもってのほか。
無理してまで参加する必要はないが、なぜ休まないほうが良いのかを考えるべしと思う。

サッカーが好きじゃないのかな?
ちょっと悲しい現実が一杯。

選手たちには、しっかりと本質を見極めた上での優先順位を考えられる大人になって欲しい。
自分の言っている大義名分が間違っている可能性があるということをしっかり見極められる大人になって欲しい。


現在の自分が置かれた立場を理解した上で、精一杯やる事を優先できることに感謝できる大人になって欲しい。
小崎 峰利