2024年1月10日水曜日

本能と知能

大学生を指導するようになって、つくづく思う。
本能だけでサッカーをやっている選手が、何と多いことか。

見た目のスキルはそんなに変わらないのに、ゲーム中に相手がボールを動かすことには意図があって動かしているのにもかかわらず、本能のみで動いてまんまと罠にハマってしまう。

いくら説明しても同じことを繰り返してしまう。

今までのサッカー人生の中で、知能を伸ばす為のトレーニングであっても本能だけでくぐり抜けてきた選手がいかに多いことか。

これからの人生は、本能だけで生きていけない。
本能を生かしながら知能をと知性を磨いていかなくては、豊かな人生を送ることは難しい。

サッカーにおいても普段から考える習慣を身につけられるように過ごしていくことが必要。
若人よ頑張れ!
小崎 峰利

2023年11月27日月曜日

悔しい

「また負けて―」
辱めを受けたり、自分の無力を思い知らされたりして、腹立たしく残念だ。

「悔しい」の意味を調べると、このように出てくる。最近は、この感情を持つ子供がかなり少なくなってきているように思えてならない。

「悔しい」という感情を持つ場面が時代背景も含めて少なくなってきている。

個人の持つ感情としても悔しいという遺伝子が退化というか少なくなってきているかもしれない。

また、「悔しい」と思う場面にしても人それぞれかもしれないが、カタールワールドカップアジア最終予選に怪我のため離脱した吉田選手は、負けて悔しいというよりも、怪我で出られないことの悔しさが相当なものであり、自分がこの時期に怪我をしてしまった事に対して悔しいという感情を顕にしている。

この事は、私の育成年代への話の中において「悔しさ」の新たな事例として加わる事になった。

吉田選手はやはり素晴らしいキャプテンである。

彼の中学生(グランパスJr.ユース)時代に名古屋FCと戦った事もあり、何となく身近に感じられて嬉しい限りである。

小崎 峰利

2023年10月30日月曜日

悲壮感

厳しいトレーニングをすると険しい顔つきになり、コーチがトーンの高い声で指摘をすると、なぜ選手は悲壮感が漂う顔になるのか?

これは、指導者、選手とも両方に責任があるのではないか。

選手は、いつも怒られていると感じているのだと思う。
でも、それはコーチング側の指摘の手法に問題があるのかもしれない

親に叱られっぱなしの子供は叱られることが常態化していて、なぜ叱られているのか意味不明な状態が続く。

トレーニングの現場で、一生懸命やっているのに悲壮感が漂う事がままある。
苦しい場面でこそ、厳しくも明るい雰囲気にさせられる選手であり、また、指導者でありたいものである。
小崎 峰利

2023年10月12日木曜日

サッカーは難しい

どこのポジションでボールを受けるか?

この問題一つをとっても、ボールホルダーに対して他の味方の位置、敵の位置、はたまたその位置よりもよりゴールに近い位置があるのではないか。

また、相手ボールの時、どの相手にボールが渡りそうか、それによって相手にプレスをかけやすいポジションを取る。

はたまたこのスペースは消しておかないと危ないな。などなど頭を使いながら相手と味方を見ながら予測の元にポジション取りをしなくてはいけない。

さあ、実際にポジション取りが何気に合理的になってきたとしても、自分の味方から良いポジションでボールを受けたとして、止めるミスをしました。

また、自分がボールホルダーで、味方が相手から見たらかなり危険なポジションを取ってくれています。
さあ、パスを出しました。
ミスパスになってしまい、相手にボールが渡ってしまいました。

相手にボールが渡りそうです。
良いポジショニングからプレスが出来ました。
ただ、奪い方が下手で奪えませんでした。
残念な結果です。

どちらにしても、たとえ良いポジションを取ったとしても、そのポジションが活かされるスキルが必要です。
どちらもバランス良く身につけさせなくてはなりません。

あぁ、やっぱりサッカーは難しい。
小崎 峰利

2023年9月11日月曜日

指導

我々指導者は、できないことをできるようにしてあげるのが最初の仕事。

選手間のコーチングもそう。
できないことをできないと指摘することではなく、できないことをできるようにしてあげるのがコーチング。

最近外から現場を眺めていると、できないことに苛立ち、指導が指導ではなくなったり、コーチングがコーチングではなくなったりする場面を目にする。

このような状況においては、指導しているとは言い難い。
育成年代であれば、なおさらである。
カテゴリーの年代が下がれば下がるほどに、より丁寧な指導、レベルに応じたコーチングが必要である。

全てのカテゴリーを見てきた経験からすると、同じことを指導するにも何百、何千の言葉の引き出しが必要かもしれない。

指導の奥深さを更に考えることにする。
小崎 峰利

2023年8月8日火曜日

セットプレー

近年、高校サッカー選手権や高校総体が終わると、必ずセットプレーについての話が多くなる。

昨年度は高川学園のセットプレーが世界中に話題を提供したり、名古屋FCとの親交が深いの黒田剛氏(現FC町田ゼルビア監督)が多用するロングスローが色々話題となったり・・・。

確かにセットプレーは攻撃側にとって100%有利のうえ、その後のセカンドボールについてもフィフティーフィフティーのおまけまでついてくる。
守備側にとってこの上ない恐怖であり、不利であることは間違いない。

その中でロングスローであったり、トリックプレーであったり色々デザインされてきている現実をみると、今後はますますファウルをしない、簡単にボールデッドしてプレーを切る事も難しくなる時代に突入してきたといっても過言ではない。

以前は、リスタートを早くすることが一種のトリックプレーとして考えられたレベル、もちろん今でもリスタートは早くするに越したことはないが・・・。

攻撃側は、キックやスローのクォリティにこだわり、またマークを外すために、言葉は悪いが目眩しのようなトリックプレーも出てくることがあるかもしれない。

守備側は色々な攻撃側のアイデアに対抗して何かができるわけでもなく、オーソドックスにマークの徹底と、スペースを消すことと、競り合いに負けないという至ってシンプルな事をやり続ける事が必要である。

やはり、サッカーは基本を大事にである。
小崎 峰利

2023年7月11日火曜日

楽しさとは?

どんな競技でもトップトップの選手達が言う。
「楽しくやって欲しい」とか 「楽しさ」を強調する。

間違いはない事なのではあるが、個人それぞれの「楽しさ」「楽しみ方」があるので「楽しい」という言葉が前面に出て、一人歩きだけはして欲しくない。

体操の内村航平さんが、引退会見の時に話していたことの中に、「世界一のトレーニングが出来なくなったから引退かな」と言っていた。
その前段には、世界一の練習をしていた時は「楽しさ」を感じていたようなお話であった。 

まさに「苦あれば楽あり」「苦しさの後に楽しさ」などアスリートに関しても、人生に関しても同じで、トレーニングの量や質にこだわり、それの苦しさを楽しさと感じられる事が理想である。 

しかし、殆どの人が目の前に訪れる苦労と苦しさを感じ過ぎて、その後に訪れる楽しさと嬉しさを想像出来ないので、苦しい苦しい、イヤだと思い継続できない人が多々いる。 

まずは「楽しさ」を追求していくことから始めてみると良いかも。
小崎 峰利