2022年10月21日金曜日

人生

長いことサッカーという難しい競技の指導者をやってきた。

自分がプレーヤーとしてやり切り、息子達がサッカーに目覚め、その頃から指導者もどきで指導を始めた。プロになりたいという夢を大きく持ち始めた小学生への指導からスタート夢と現実のギャップに少しずつ疑問を感じ始めるかなり難しい中学生の指導に心血を注いできた。

またここ10年は、社会への旅立ちを目前に控えた大切な時期を過ごす大学生という本当に難しい年代を預かり、指導者として集大成に差し掛かってきたと感じる。

自分の人生もありがたいことに紆余曲折を経ながら、またある意味苦しい状況と戦いながらここまで来た。

最近よく考える人生がある。
それはサッカーをプレーヤーとして小さい時からやってきて、大学生になり、さあこれから社会人だという時に何か明るい未来を考えたり、目指したりする学生が少ないことにある種の危機感を覚える。
最低限、社会に出てから困ることのない作法や考え方、向かい方を説いて来てはいるが、”何かをやる”という希望を持った学生の少ないこと・・・。

その中でも、「僕はコーヒーが好きなのでコーヒーを栽培したり、売ったりなどコーヒーに関わる仕事をしたい」とビジョンを持っている今年の大学卒業生が、インターシップで作ってきたと自作のコーヒーを贈ってくれた。

家内と一緒に飲んだ。
とにかく美味かった。口に合うとか、香りが良いとかとは全く違う美味さを感じた。
何となく嬉しくなった。

この選手は4年間真面目にサッカーに取り組み、私の言う社会に出て困ることなのない考え方などの社会性はしっかり身に付けて卒業をする。
その後は分からないが、コーヒーという自分の好きなことに向かって行けることに嬉しいと感じているはず。

彼の人生からサッカーはひとまず傍に行くことになると思うが、サッカーのプロになれなくても社会人としてプロになっていくんだと何故か人生を考えさせられた。
また美味いコーヒーを送ってきて欲しい。
小崎 峰利