2023年5月7日日曜日

時間

選手達には色々な訓話をする。
自分には出来そうにもないことも織り交ぜながら、ああでもない、こうでもないなどと話をする。

齢65まで、ただ生きてきたわけではない。
何でもない「時間」を過ごしてきたわけではない。
自分自身でも甘い経験、苦い経験、苦しい経験、はたまた自分のことでは無いが数多くの見聞がある。

だから色々な訓話ができるのだろう。
中にはさも自分の経験のように、ある経験談を話す。

その中で常に出てくるフレーズとして「時間」がある。
人に与えられた時間は公平だが、その時間の中身は人それぞれ。
濃いか薄いかの時間ではない。
考え吸収した上で、経験談として話ができるぐらいの時間を過ごす事が、後々の人生に生きてくる。

選手たちに強く言いたい。
リラックスする時間は必ず必要だが、考える時間を多くする事がより良い人生の礎となる事だということを。

時間を過ごすな、時間は使え!
時間は全ての人に平等にある。
中身の濃い時間を!
小崎 峰利

2023年4月3日月曜日

今を頑張れ!

中学生に送る言葉として、「今を頑張れ!」というフレーズを色紙に何年も書いてきた。

最近では、大学生に対して、「将来のために人としてしっかりとした社会性を身に付けよう」と毎日のように言っている。

社会性はともかく、サッカーにおいては未来よりも今だ。

「いつやるの?今でしょ!」という言葉が流行った。林先生だ。

確かに今やらなければ未来はない。
目の前の努力や結果を求めなければ明日はない。
当たり前のように明日や未来のために「今」はあるのだ。

今を頑張れない奴は、明日も未来も頑張れない。
だから、「今を頑張れ!」なのだ。
小崎 峰利

2023年2月22日水曜日

我慢と成長

人間は、我慢をすることや苦労をすることの方が成長するものなのだろうか? 

歳も取ってきて考える。
楽しいことをやりながら、また、美味しいものを食べながら生きてけないものだろうか?

美味いものばかりを食べすぎると、身体には決して良くはない。 
運動をしなくて美味いものばかりを食すれば、見た目も太り、内臓にも良くはない。
ワンちゃんでも人間の食べるものと一緒のものを食すれば、寿命は縮まると言われる。 

私たちサッカーマンも、我慢もなしに楽しく楽なトレーニングばかりでは、決して上手くも強くもなれないはず。

やはり我慢は必要。 苦労も必要。 厳しさも必要。 
ある意味、昔から言われる「苦あれば楽あり」、 これが成長の元にあるのは間違いのないところである。
小崎 峰利

2023年2月6日月曜日

明るく厳しく!

指導方法として、「肯定をしながら否定(ウィークポイントの指摘)をする」「否定をしながら肯定をする」という手法をとってきた。

さらに、選手ごとに細かくその比率を変えて話をしてきた。

指導者は、個人に対してのアプローチとチームに対してのアプローチを考えなければならない。
その中で、スキルに対してのアプローチ、メンタルに対してのアプローチなどなど様々なシチュエーションがある。

今まで色々な場面で色々な指導者を、また、色々なカテゴリーで色々なトレーニングトークやベンチトークを見聞きしてきたが、私は表情、声のトーンを含めて「明るく厳しく」という空気感を作る事に心血を注いできた。
それによって選手の目の輝きを含め、サッカーという競技に真剣に向かう事の出来る選手が少しずつ増えてきたと感じている。

とにかくトレーニングの雰囲気は大事。

明るいだけでの空気感では緩い。
かといって厳しいだけで緊張感でピリピリでも持たない。

指導者は、トレーニングから試合までの空気感をしっかりコントロールできるのが一番。

私は、”今は濃く” ”ここからは少し淡く” ”ここは濃いを通り越してピリピリした”などの空気を意図的に作れるようになってきたと考えている。

しかし、そろそろ指導者人生終盤に差し掛かる。
このような感覚を早く持てる若手の指導者がどんどん現れて欲しい

現代の子供達は、我々年寄りが生きてきた時代と違って耐力が簡単に身につく時代背景ではない。
これを理解しなければ現代の指導は難しいと言われる所以である。
小崎 峰利

2023年1月10日火曜日

優先順位

サッカーにも、生活にも、優先順位がある。

最近よく思うのは、カテゴリーを問わず選手が優先順位を全くと言っていいほど考えず、身勝手な大義名分を振りかざし、さも優先と言いながら要求をしてくる事が多いことか。

「就活なので明日のトレーニングを休みます」
ちょっと足を捻ったので明日病院へ行くのでトレーニング休みます
下宿のガス栓の点検とトレーニング時間が重なるのでトレーニング休みます」

全ての事が、時間の管理と先方との交渉でマネージメントできるはず。
怪我をしていてもトレーニングに顔を出す事が優先であるのにも関わらず、休む事が優先。

休む事が必要で、休む事が優先になる事も当然のようにはあるが・・・。

もっと言えば、報告と連絡をする事で休んでもよい、と考える選手も散見される。
体調不良で休みます。頭が痛いので休みます。

先に書いたように休む事が優先な事もある。
しかしながら、連絡をしたから休んでもよいという道理は社会では通用しなくなる事が多い。
オフ明けに休むなんてもってのほか。
無理してまで参加する必要はないが、なぜ休まないほうが良いのかを考えるべしと思う。

サッカーが好きじゃないのかな?
ちょっと悲しい現実が一杯。

選手たちには、しっかりと本質を見極めた上での優先順位を考えられる大人になって欲しい。
自分の言っている大義名分が間違っている可能性があるということをしっかり見極められる大人になって欲しい。


現在の自分が置かれた立場を理解した上で、精一杯やる事を優先できることに感謝できる大人になって欲しい。
小崎 峰利

2022年11月25日金曜日

心技体2

随分前に心技体というテーマで、なぜ"心" "技" "体"の順番なのか?という話をしたことがある。
育成年代を長く見ていると、ますます心の部分にフォーカスしたくなる。

最近は、大学生には「サッカーはメンタルスポーツだ」と言っている。
サッカーに限らず、全てのスポーツはメンタルから始まると言っても過言ではない。

上手くなりたいという心
勝ちたいという心
負けたくないという心
諦めない心
継続できる心
思いやりの心
感謝の心
敬う心
仲間(チーム)を思う心
リスペクトの心
熱い心

これらの"心"とアタマで考える事の連携が必要ではあるが、数々の"心"の充実があってこそ、初めて物事の成就がある。

心技体の一番初めに"心"があるのは、やはり技術も体も"心"の充実によって成立しているという事である。
小崎 峰利

2022年11月10日木曜日

妥協と我慢

妥協という言葉は使いたくないが、現代の若者は厳しくされることにアレルギー反応を起こすものが少なくない。

しかしながら、厳しい事を言ったり、ある意味やらせる事は最低限必要である。
全ての事柄、例えば社会生活において挨拶の必要性を説き実行させる。
また、サッカーにおいてのインテンシティを上げる必要性を説き実行させる。

厳しく言ったり、やらせなければ、それぞれの実行の基準が違う為、成長の度合いに差が出てくる。

極端に言えば、やらないものはやらない。やりたくないのだ。
やりたいものだけチョイスして、やれるものだけに厳しさを求めてやり続ける事が育成にはよくないと考える。

よって言葉は悪いが、俗に言うノンビリな性格や競争が苦手な選手には、ある程度の妥協をしながら、また、我慢をしながら辛抱強く厳しさを説いていかなければならないと思う。
これからの指導者や教育者は本当に大変な時代を迎えることになりそうである。
小崎 峰利