2023年6月28日水曜日

勝ち方

昨年のワールドカップもすでに懐かしい時期になり、日本代表は次の大会の予選突破を見据えた選手選考段階に入ってきた。

優勝候補と言われる国(チーム)が、予選リーグ敗退という事が普通に起きる時代になってきたなかで、前回大会では死のグループとまで言われた日本のグループはドイツが2大会連続での敗退。
FIFAランキング2位のベルギーでさえ消え去った。

この様な状況で、日本の活躍は目覚ましいものである。
コスタリカに負けはしたが、プラン通りであったと思う。あえて言えば、策に溺れた感は否めない。
ドイツとスペインには、策がしっかりはまったと思う。

しかしながら、次の大会に向かう日本としては、もう少し勝ち方にも変化を伴いたいものである。
強い相手への戦い方は一定の基準が出来たが、一つ間違えば勝つ確率は相当下がる。
その為には、戦略、戦術の構築と共に個人スキルと駆け引きのクオリティを更に上げる必要が出てきた。

ドイツやスペイン、ベルギーの様なスキルフルな相手には、前回の様な戦い方をベースにする。
アフリカなどスピードと身体能力に長けた相手には、緩急を武器に対峙する。
日本より引いて守るようなアジアの国相手には、アグレッシブに果敢に前に進み、スキルを全面に出して翻弄する様なサッカーを目指して欲しい。

その先には、相手によって勝ち方を考えられるレベルに達し、ワールドカップ優勝が見えてくるはず。
生きてるうちに見たいと思う。
子供達には、とにかく頑張ってもらいたい。
小崎 峰利

2023年6月21日水曜日

100%以上

選手にいつも言っているフレーズがある。

「150%でやろう」

選手はいつも頑張っている。
その中でそれぞれの頑張りがある。
だが、多分もう少しできる。

昔よく言われたことがある。

腹一杯になってからもう一口食べる。
10本走った後、ヘトヘトだけど更にもう一本だけ走る。

自ら、また、コーチから「これだけやろう」と言われたことが100%なら、言われたことをこなしてから更にやること、それが100%以上のことである。

私は、それを更に大きく「150%でやろう」と言っている。
100%以上の事がそれぞれの力になって身についていく事であると信じている。
きっと、あなたはもっとできる。
小崎 峰利

2023年5月31日水曜日

建設的?

サッカーシーンにおいても、様々なシチュエーションで意見交換が行われる。
指導者から選手、選手から選手、先輩から後輩など。

意見交換と言われる状況で、本当に意見を出し合うことが行われることは意外と少ない。
日々の生活も含めて見ていると、意見を言う選手と言われる選手、当然のことのように意見を言う上司、先輩、聞くしかない?部下と後輩などなど。

何故偏るのか?
ここを改善していかないと組織、グループは熟成されていかない。
まずもって発信する中身が、組織やチームにとって建設的なものなのかどうかのジャッジ。

それを言うことによって、言われた相手が建設的な意見と捉え、素直に聞くことが出来るか?
たまには衝突もあるかもしれないが、衝突の後でしっかりとした議論に発展していけるのか?
批判ではなく意見、それも言う相手に対して建設的なものかどうか?

このことを勘案した上で、建設的な意見を言うことができるように仕向けていきたい。
小崎 峰利

2023年5月7日日曜日

時間

選手達には色々な訓話をする。
自分には出来そうにもないことも織り交ぜながら、ああでもない、こうでもないなどと話をする。

齢65まで、ただ生きてきたわけではない。
何でもない「時間」を過ごしてきたわけではない。
自分自身でも甘い経験、苦い経験、苦しい経験、はたまた自分のことでは無いが数多くの見聞がある。

だから色々な訓話ができるのだろう。
中にはさも自分の経験のように、ある経験談を話す。

その中で常に出てくるフレーズとして「時間」がある。
人に与えられた時間は公平だが、その時間の中身は人それぞれ。
濃いか薄いかの時間ではない。
考え吸収した上で、経験談として話ができるぐらいの時間を過ごす事が、後々の人生に生きてくる。

選手たちに強く言いたい。
リラックスする時間は必ず必要だが、考える時間を多くする事がより良い人生の礎となる事だということを。

時間を過ごすな、時間は使え!
時間は全ての人に平等にある。
中身の濃い時間を!
小崎 峰利

2023年4月3日月曜日

今を頑張れ!

中学生に送る言葉として、「今を頑張れ!」というフレーズを色紙に何年も書いてきた。

最近では、大学生に対して、「将来のために人としてしっかりとした社会性を身に付けよう」と毎日のように言っている。

社会性はともかく、サッカーにおいては未来よりも今だ。

「いつやるの?今でしょ!」という言葉が流行った。林先生だ。

確かに今やらなければ未来はない。
目の前の努力や結果を求めなければ明日はない。
当たり前のように明日や未来のために「今」はあるのだ。

今を頑張れない奴は、明日も未来も頑張れない。
だから、「今を頑張れ!」なのだ。
小崎 峰利

2023年2月22日水曜日

我慢と成長

人間は、我慢をすることや苦労をすることの方が成長するものなのだろうか? 

歳も取ってきて考える。
楽しいことをやりながら、また、美味しいものを食べながら生きてけないものだろうか?

美味いものばかりを食べすぎると、身体には決して良くはない。 
運動をしなくて美味いものばかりを食すれば、見た目も太り、内臓にも良くはない。
ワンちゃんでも人間の食べるものと一緒のものを食すれば、寿命は縮まると言われる。 

私たちサッカーマンも、我慢もなしに楽しく楽なトレーニングばかりでは、決して上手くも強くもなれないはず。

やはり我慢は必要。 苦労も必要。 厳しさも必要。 
ある意味、昔から言われる「苦あれば楽あり」、 これが成長の元にあるのは間違いのないところである。
小崎 峰利

2023年2月6日月曜日

明るく厳しく!

指導方法として、「肯定をしながら否定(ウィークポイントの指摘)をする」「否定をしながら肯定をする」という手法をとってきた。

さらに、選手ごとに細かくその比率を変えて話をしてきた。

指導者は、個人に対してのアプローチとチームに対してのアプローチを考えなければならない。
その中で、スキルに対してのアプローチ、メンタルに対してのアプローチなどなど様々なシチュエーションがある。

今まで色々な場面で色々な指導者を、また、色々なカテゴリーで色々なトレーニングトークやベンチトークを見聞きしてきたが、私は表情、声のトーンを含めて「明るく厳しく」という空気感を作る事に心血を注いできた。
それによって選手の目の輝きを含め、サッカーという競技に真剣に向かう事の出来る選手が少しずつ増えてきたと感じている。

とにかくトレーニングの雰囲気は大事。

明るいだけでの空気感では緩い。
かといって厳しいだけで緊張感でピリピリでも持たない。

指導者は、トレーニングから試合までの空気感をしっかりコントロールできるのが一番。

私は、”今は濃く” ”ここからは少し淡く” ”ここは濃いを通り越してピリピリした”などの空気を意図的に作れるようになってきたと考えている。

しかし、そろそろ指導者人生終盤に差し掛かる。
このような感覚を早く持てる若手の指導者がどんどん現れて欲しい

現代の子供達は、我々年寄りが生きてきた時代と違って耐力が簡単に身につく時代背景ではない。
これを理解しなければ現代の指導は難しいと言われる所以である。
小崎 峰利