2023年9月11日月曜日

指導

我々指導者は、できないことをできるようにしてあげるのが最初の仕事。

選手間のコーチングもそう。
できないことをできないと指摘することではなく、できないことをできるようにしてあげるのがコーチング。

最近外から現場を眺めていると、できないことに苛立ち、指導が指導ではなくなったり、コーチングがコーチングではなくなったりする場面を目にする。

このような状況においては、指導しているとは言い難い。
育成年代であれば、なおさらである。
カテゴリーの年代が下がれば下がるほどに、より丁寧な指導、レベルに応じたコーチングが必要である。

全てのカテゴリーを見てきた経験からすると、同じことを指導するにも何百、何千の言葉の引き出しが必要かもしれない。

指導の奥深さを更に考えることにする。
小崎 峰利

2023年8月8日火曜日

セットプレー

近年、高校サッカー選手権や高校総体が終わると、必ずセットプレーについての話が多くなる。

昨年度は高川学園のセットプレーが世界中に話題を提供したり、名古屋FCとの親交が深いの黒田剛氏(現FC町田ゼルビア監督)が多用するロングスローが色々話題となったり・・・。

確かにセットプレーは攻撃側にとって100%有利のうえ、その後のセカンドボールについてもフィフティーフィフティーのおまけまでついてくる。
守備側にとってこの上ない恐怖であり、不利であることは間違いない。

その中でロングスローであったり、トリックプレーであったり色々デザインされてきている現実をみると、今後はますますファウルをしない、簡単にボールデッドしてプレーを切る事も難しくなる時代に突入してきたといっても過言ではない。

以前は、リスタートを早くすることが一種のトリックプレーとして考えられたレベル、もちろん今でもリスタートは早くするに越したことはないが・・・。

攻撃側は、キックやスローのクォリティにこだわり、またマークを外すために、言葉は悪いが目眩しのようなトリックプレーも出てくることがあるかもしれない。

守備側は色々な攻撃側のアイデアに対抗して何かができるわけでもなく、オーソドックスにマークの徹底と、スペースを消すことと、競り合いに負けないという至ってシンプルな事をやり続ける事が必要である。

やはり、サッカーは基本を大事にである。
小崎 峰利

2023年7月11日火曜日

楽しさとは?

どんな競技でもトップトップの選手達が言う。
「楽しくやって欲しい」とか 「楽しさ」を強調する。

間違いはない事なのではあるが、個人それぞれの「楽しさ」「楽しみ方」があるので「楽しい」という言葉が前面に出て、一人歩きだけはして欲しくない。

体操の内村航平さんが、引退会見の時に話していたことの中に、「世界一のトレーニングが出来なくなったから引退かな」と言っていた。
その前段には、世界一の練習をしていた時は「楽しさ」を感じていたようなお話であった。 

まさに「苦あれば楽あり」「苦しさの後に楽しさ」などアスリートに関しても、人生に関しても同じで、トレーニングの量や質にこだわり、それの苦しさを楽しさと感じられる事が理想である。 

しかし、殆どの人が目の前に訪れる苦労と苦しさを感じ過ぎて、その後に訪れる楽しさと嬉しさを想像出来ないので、苦しい苦しい、イヤだと思い継続できない人が多々いる。 

まずは「楽しさ」を追求していくことから始めてみると良いかも。
小崎 峰利

2023年6月28日水曜日

勝ち方

昨年のワールドカップもすでに懐かしい時期になり、日本代表は次の大会の予選突破を見据えた選手選考段階に入ってきた。

優勝候補と言われる国(チーム)が、予選リーグ敗退という事が普通に起きる時代になってきたなかで、前回大会では死のグループとまで言われた日本のグループはドイツが2大会連続での敗退。
FIFAランキング2位のベルギーでさえ消え去った。

この様な状況で、日本の活躍は目覚ましいものである。
コスタリカに負けはしたが、プラン通りであったと思う。あえて言えば、策に溺れた感は否めない。
ドイツとスペインには、策がしっかりはまったと思う。

しかしながら、次の大会に向かう日本としては、もう少し勝ち方にも変化を伴いたいものである。
強い相手への戦い方は一定の基準が出来たが、一つ間違えば勝つ確率は相当下がる。
その為には、戦略、戦術の構築と共に個人スキルと駆け引きのクオリティを更に上げる必要が出てきた。

ドイツやスペイン、ベルギーの様なスキルフルな相手には、前回の様な戦い方をベースにする。
アフリカなどスピードと身体能力に長けた相手には、緩急を武器に対峙する。
日本より引いて守るようなアジアの国相手には、アグレッシブに果敢に前に進み、スキルを全面に出して翻弄する様なサッカーを目指して欲しい。

その先には、相手によって勝ち方を考えられるレベルに達し、ワールドカップ優勝が見えてくるはず。
生きてるうちに見たいと思う。
子供達には、とにかく頑張ってもらいたい。
小崎 峰利

2023年6月21日水曜日

100%以上

選手にいつも言っているフレーズがある。

「150%でやろう」

選手はいつも頑張っている。
その中でそれぞれの頑張りがある。
だが、多分もう少しできる。

昔よく言われたことがある。

腹一杯になってからもう一口食べる。
10本走った後、ヘトヘトだけど更にもう一本だけ走る。

自ら、また、コーチから「これだけやろう」と言われたことが100%なら、言われたことをこなしてから更にやること、それが100%以上のことである。

私は、それを更に大きく「150%でやろう」と言っている。
100%以上の事がそれぞれの力になって身についていく事であると信じている。
きっと、あなたはもっとできる。
小崎 峰利

2023年5月31日水曜日

建設的?

サッカーシーンにおいても、様々なシチュエーションで意見交換が行われる。
指導者から選手、選手から選手、先輩から後輩など。

意見交換と言われる状況で、本当に意見を出し合うことが行われることは意外と少ない。
日々の生活も含めて見ていると、意見を言う選手と言われる選手、当然のことのように意見を言う上司、先輩、聞くしかない?部下と後輩などなど。

何故偏るのか?
ここを改善していかないと組織、グループは熟成されていかない。
まずもって発信する中身が、組織やチームにとって建設的なものなのかどうかのジャッジ。

それを言うことによって、言われた相手が建設的な意見と捉え、素直に聞くことが出来るか?
たまには衝突もあるかもしれないが、衝突の後でしっかりとした議論に発展していけるのか?
批判ではなく意見、それも言う相手に対して建設的なものかどうか?

このことを勘案した上で、建設的な意見を言うことができるように仕向けていきたい。
小崎 峰利

2023年5月7日日曜日

時間

選手達には色々な訓話をする。
自分には出来そうにもないことも織り交ぜながら、ああでもない、こうでもないなどと話をする。

齢65まで、ただ生きてきたわけではない。
何でもない「時間」を過ごしてきたわけではない。
自分自身でも甘い経験、苦い経験、苦しい経験、はたまた自分のことでは無いが数多くの見聞がある。

だから色々な訓話ができるのだろう。
中にはさも自分の経験のように、ある経験談を話す。

その中で常に出てくるフレーズとして「時間」がある。
人に与えられた時間は公平だが、その時間の中身は人それぞれ。
濃いか薄いかの時間ではない。
考え吸収した上で、経験談として話ができるぐらいの時間を過ごす事が、後々の人生に生きてくる。

選手たちに強く言いたい。
リラックスする時間は必ず必要だが、考える時間を多くする事がより良い人生の礎となる事だということを。

時間を過ごすな、時間は使え!
時間は全ての人に平等にある。
中身の濃い時間を!
小崎 峰利