2023年2月6日月曜日

明るく厳しく!

指導方法として、「肯定をしながら否定(ウィークポイントの指摘)をする」「否定をしながら肯定をする」という手法をとってきた。

さらに、選手ごとに細かくその比率を変えて話をしてきた。

指導者は、個人に対してのアプローチとチームに対してのアプローチを考えなければならない。
その中で、スキルに対してのアプローチ、メンタルに対してのアプローチなどなど様々なシチュエーションがある。

今まで色々な場面で色々な指導者を、また、色々なカテゴリーで色々なトレーニングトークやベンチトークを見聞きしてきたが、私は表情、声のトーンを含めて「明るく厳しく」という空気感を作る事に心血を注いできた。
それによって選手の目の輝きを含め、サッカーという競技に真剣に向かう事の出来る選手が少しずつ増えてきたと感じている。

とにかくトレーニングの雰囲気は大事。

明るいだけでの空気感では緩い。
かといって厳しいだけで緊張感でピリピリでも持たない。

指導者は、トレーニングから試合までの空気感をしっかりコントロールできるのが一番。

私は、”今は濃く” ”ここからは少し淡く” ”ここは濃いを通り越してピリピリした”などの空気を意図的に作れるようになってきたと考えている。

しかし、そろそろ指導者人生終盤に差し掛かる。
このような感覚を早く持てる若手の指導者がどんどん現れて欲しい

現代の子供達は、我々年寄りが生きてきた時代と違って耐力が簡単に身につく時代背景ではない。
これを理解しなければ現代の指導は難しいと言われる所以である。
小崎 峰利

2023年1月10日火曜日

優先順位

サッカーにも、生活にも、優先順位がある。

最近よく思うのは、カテゴリーを問わず選手が優先順位を全くと言っていいほど考えず、身勝手な大義名分を振りかざし、さも優先と言いながら要求をしてくる事が多いことか。

「就活なので明日のトレーニングを休みます」
ちょっと足を捻ったので明日病院へ行くのでトレーニング休みます
下宿のガス栓の点検とトレーニング時間が重なるのでトレーニング休みます」

全ての事が、時間の管理と先方との交渉でマネージメントできるはず。
怪我をしていてもトレーニングに顔を出す事が優先であるのにも関わらず、休む事が優先。

休む事が必要で、休む事が優先になる事も当然のようにはあるが・・・。

もっと言えば、報告と連絡をする事で休んでもよい、と考える選手も散見される。
体調不良で休みます。頭が痛いので休みます。

先に書いたように休む事が優先な事もある。
しかしながら、連絡をしたから休んでもよいという道理は社会では通用しなくなる事が多い。
オフ明けに休むなんてもってのほか。
無理してまで参加する必要はないが、なぜ休まないほうが良いのかを考えるべしと思う。

サッカーが好きじゃないのかな?
ちょっと悲しい現実が一杯。

選手たちには、しっかりと本質を見極めた上での優先順位を考えられる大人になって欲しい。
自分の言っている大義名分が間違っている可能性があるということをしっかり見極められる大人になって欲しい。


現在の自分が置かれた立場を理解した上で、精一杯やる事を優先できることに感謝できる大人になって欲しい。
小崎 峰利

2022年11月25日金曜日

心技体2

随分前に心技体というテーマで、なぜ"心" "技" "体"の順番なのか?という話をしたことがある。
育成年代を長く見ていると、ますます心の部分にフォーカスしたくなる。

最近は、大学生には「サッカーはメンタルスポーツだ」と言っている。
サッカーに限らず、全てのスポーツはメンタルから始まると言っても過言ではない。

上手くなりたいという心
勝ちたいという心
負けたくないという心
諦めない心
継続できる心
思いやりの心
感謝の心
敬う心
仲間(チーム)を思う心
リスペクトの心
熱い心

これらの"心"とアタマで考える事の連携が必要ではあるが、数々の"心"の充実があってこそ、初めて物事の成就がある。

心技体の一番初めに"心"があるのは、やはり技術も体も"心"の充実によって成立しているという事である。
小崎 峰利

2022年11月10日木曜日

妥協と我慢

妥協という言葉は使いたくないが、現代の若者は厳しくされることにアレルギー反応を起こすものが少なくない。

しかしながら、厳しい事を言ったり、ある意味やらせる事は最低限必要である。
全ての事柄、例えば社会生活において挨拶の必要性を説き実行させる。
また、サッカーにおいてのインテンシティを上げる必要性を説き実行させる。

厳しく言ったり、やらせなければ、それぞれの実行の基準が違う為、成長の度合いに差が出てくる。

極端に言えば、やらないものはやらない。やりたくないのだ。
やりたいものだけチョイスして、やれるものだけに厳しさを求めてやり続ける事が育成にはよくないと考える。

よって言葉は悪いが、俗に言うノンビリな性格や競争が苦手な選手には、ある程度の妥協をしながら、また、我慢をしながら辛抱強く厳しさを説いていかなければならないと思う。
これからの指導者や教育者は本当に大変な時代を迎えることになりそうである。
小崎 峰利

2022年10月21日金曜日

人生

長いことサッカーという難しい競技の指導者をやってきた。

自分がプレーヤーとしてやり切り、息子達がサッカーに目覚め、その頃から指導者もどきで指導を始めた。プロになりたいという夢を大きく持ち始めた小学生への指導からスタート夢と現実のギャップに少しずつ疑問を感じ始めるかなり難しい中学生の指導に心血を注いできた。

またここ10年は、社会への旅立ちを目前に控えた大切な時期を過ごす大学生という本当に難しい年代を預かり、指導者として集大成に差し掛かってきたと感じる。

自分の人生もありがたいことに紆余曲折を経ながら、またある意味苦しい状況と戦いながらここまで来た。

最近よく考える人生がある。
それはサッカーをプレーヤーとして小さい時からやってきて、大学生になり、さあこれから社会人だという時に何か明るい未来を考えたり、目指したりする学生が少ないことにある種の危機感を覚える。
最低限、社会に出てから困ることのない作法や考え方、向かい方を説いて来てはいるが、”何かをやる”という希望を持った学生の少ないこと・・・。

その中でも、「僕はコーヒーが好きなのでコーヒーを栽培したり、売ったりなどコーヒーに関わる仕事をしたい」とビジョンを持っている今年の大学卒業生が、インターシップで作ってきたと自作のコーヒーを贈ってくれた。

家内と一緒に飲んだ。
とにかく美味かった。口に合うとか、香りが良いとかとは全く違う美味さを感じた。
何となく嬉しくなった。

この選手は4年間真面目にサッカーに取り組み、私の言う社会に出て困ることなのない考え方などの社会性はしっかり身に付けて卒業をする。
その後は分からないが、コーヒーという自分の好きなことに向かって行けることに嬉しいと感じているはず。

彼の人生からサッカーはひとまず傍に行くことになると思うが、サッカーのプロになれなくても社会人としてプロになっていくんだと何故か人生を考えさせられた。
また美味いコーヒーを送ってきて欲しい。
小崎 峰利

2022年10月4日火曜日

チーム体質

上手い選手が多いね!
パスやドリブルを駆使してボール支配率も高いね!
というようなチームは結構ある。

しかしながら、90分間戦いが継続出来ない。

失敗をすると下を向いたりちょっとしたフリーズがあって切り替えが遅くなり、プレーに粘りが無くなる。
また、守備にこの粘り強さが無く、淡白になってしまうとあっという間に失点をしてしまう。上手さと粘り強さが融合して、それを継続出来るチームが勝負には強くなるはず。
これは個人では形成できない。

我々指導者(監督)はこのようなチーム体質を作り上げるのに苦労する。
この体質はグランド内だけで形成することは難しい。
日々の生活の中から意識してやらなければ、勝負に強い体質は作ることは不可能である。
当たり前のように、サッカーの強さにこのようなチーム体質は大切なのである。

私自身の体質改善も難しいし苦労している。
チームの体質形成も難しいものである。
小崎 峰利

2022年9月20日火曜日

ストレス

最近、様々な年代の様々な指導者のコーチングの言葉や声のトーンや声の質、はたまたコーチングのタイミングなどを聞いていると、選手たちがストレス無くしっかりと頭の中に入れ込める状態か否かを考える。
そうすると、指導者の口調やタイミングでストレスをきえているんじゃ無いかと思えるシーンに見えてくる事もある。

昔は、怒鳴ることも当たり前の時代があったのも事実。
しかしながら、長年教えられる選手目線で見る事が多くなってきた現在は、指導者と選手の教える教えられるの関係を色々な角度から眺めると、教える側の指摘と熱量が教えられる側からみると、ストレスを感じてしまって中身がスカスカの状態の選手も散見される。

この様な状況が続けば、指導者、選手共にストレスを抱えることになる。
いくら言っている事が大切かつチームや個人にとって重要な事でも、受け取る側にストレスがかかって選手が吸収できなければ、優秀な中身の指導でも優秀かつ信頼される指導者にはなれない。

指導者は、コーチングの中身と選手がストレス無く聞く事ができる口調やトーン、それと語彙力を高めなければならない。
絶対にヒステリックにコーチングしてはならない。

今一度、自分のコーチングを客観的に見直してみることも必要である
小崎 峰利